急速拡大装置とは?メリットや装着期間、費用も解説
こんにちは。平塚市真田、小田急小田原線「東海大学前駅」より徒歩13分にある歯医者「湘南パーク歯科・矯正クリニック」です。
子どもの矯正治療にはさまざまな方法がありますが、そのなかでも急速拡大装置は顎の幅が狭いお子さまに対して使用される装置です。顎の骨を広げて永久歯がきれいに並ぶスペースを確保したり、上下の噛み合わせを改善したりすることを目的としています。
しかし、どのような目的で使用される装置なのか、よくわからないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、急速拡大装置の基本的な仕組みや特徴、メリット・デメリット、装着期間、費用の目安、使用時の注意点について詳しく解説します。お子さまの矯正治療を検討されている保護者の方は、ぜひ参考にしてください。
急速拡大装置とは

急速拡大装置(きゅうそくかくだいそうち)とは主に子どもの矯正治療で用いられる装置の一つで、上あごの横幅を広げるために使用されます。この装置の役割は、上あごの中央にある骨の継ぎ目(正中口蓋縫合)に力を加えて、短期間であごの幅を拡大することです。
上あごの奥歯に固定されるタイプを使用するのが一般的で、中央部分にあるネジを回すことで徐々にあごの幅を広げていく仕組みになっています。歯並びや噛み合わせを整えるために、歯が並ぶスペースを確保しておく目的で用いられることが多いです。
急速拡大装置のメリット

ここでは、急速拡大装置を使用する主なメリットを解説します。
短期間で上顎を広げられる
急速拡大装置は、上顎の幅を短期間で拡大できる点がメリットです。通常、2週間から1か月ほどで幅の拡大が完了し、その後は保定期間に入ります。特に成長期の子どもは骨の柔軟性が高いため、顎の幅を広げやすいといわれています。
口呼吸の改善が期待できる
上あごが狭いと舌の位置が下がって口が開きやすい状態になるため、口呼吸が習慣化しやすくなります。口呼吸は風邪をひいたり、口内が乾燥してむし歯のリスクが高まったりする原因になることもあります。
しかし、急速拡大装置で上あごを広げることで舌が自然な位置に収まりやすくなり、鼻呼吸をしやすくなる場合があります。
永久歯が並ぶスペースを確保できる
急速拡大装置のメリットは、将来生えてくる永久歯が正しく並ぶためのスペースを確保できることです。乳歯から永久歯へと歯が生え変わる時期に上顎を広げておくことで、歯が重ならずきれいに並びやすくなります。
歯並びの乱れの多くは、顎の大きさと歯の大きさが合っていないことが原因です。顎が小さいと歯が並ぶスペースが足りず、ガタガタとした歯列になる傾向があります。急速拡大装置によってスペースを確保することで、こうしたトラブルの予防にもつながります。
急速拡大装置のデメリット

急速拡大装置には多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。ここでは、急速拡大装置を使用する際に知っておきたいデメリットを紹介します。
違和感や痛みが出やすい
急速拡大装置を装着した直後は装置が上顎の骨に力をかけるため、圧迫感や違和感を覚えることがあります。特に装置のネジを回すタイミングでは、前歯のあたりに押されるような感覚や軽い痛みが生じることもあるでしょう。
こうした症状は通常数日から1週間程度で落ち着くとされていますが、個人差があるため慣れるまでに時間がかかることもあります。
発音や食事に影響が出る
急速拡大装置は上顎の中央に取り付けられるため、舌の動きが制限されて発音に影響が出ることがあります。特に、装着直後はサ行やタ行などの舌先を使う音が出しづらくなることも多く、会話の際に不便さを感じるかもしれません。
また、装置があることで食事もしにくくなり、特に粘着性のある食べ物や細かい食材が装置に絡まりやすくなります。食後には、歯ブラシや歯間ブラシなどを使ったケアが必要になる点も理解しておきましょう。
取り外しができない
急速拡大装置は上あごに固定するタイプの装置で、自分で取り外すことはできません。1日中つけたままの状態が続くため最初のうちは違和感を覚えやすく、日常生活に影響が出ることもあります。
特に、矯正治療が初めてのお子さんにとっては、装置が口内に固定された感覚に戸惑うこともあるでしょう。慣れるまでは少し時間がかかるかもしれませんが、治療の一部として前向きに受け止めていただくことが大切です。
急速拡大装置の装着期間

急速拡大装置は短期間で顎を広げる矯正装置で、装着期間は3〜6か月ほどが目安です。この期間は、顎の骨を広げるための拡大期間と顎の骨を安定させるための保定期間に分かれています。
まず、最初の2週間から1か月ほどで急速に顎の骨を拡大します。この期間には、ネジを回して装置を調整することで顎の骨を広げていきます。
その後は拡大した骨や歯が元の位置に戻らないように、装置をそのまま固定する保定期間に入ります。保定期間は骨が安定するまでの2か月から半年ほどが目安です。
全体を通して3〜6か月程度の装着が一般的ですが、年齢や骨の状態によって個人差があります。急速拡大装置の治療が終わった後に別の矯正治療に移行する場合は、さらに期間が加わることもあります。
急速拡大装置の費用

急速拡大装置にかかる費用は、一般的に保険適用外の自由診療となるため全額自己負担となります。装置の種類や使用期間、歯科医院によって金額は異なりますが、おおよそ3万円から10万円程度が相場とされています。
また、治療費には診断料や調整料、経過観察の費用などが別途かかることもあるため、事前に見積もりを確認することが大切です。装置自体の費用だけでなく、トータルでどれくらいかかるのかも把握しておきましょう。
急速拡大装置を使用する時の注意点

急速拡大装置を使用する際は、以下の点に注意が必要です。
ネジは指示どおりに回す
急速拡大装置の中央には幅を広げるためのネジが組み込まれていることが多く、保護者の方などが自宅で決められた回数分だけ回す必要があります。
この操作はとても大切で、回す回数が多すぎたり少なすぎたりすると予定通りに治療が進まなかったり、思わぬトラブルにつながることもあります。面倒に感じるかもしれませんが、毎日決められたタイミングで指示通りにネジを回すようにしましょう。
装置の周囲を丁寧に清掃する
急速拡大装置は歯にしっかり固定されているため、装置の周りに汚れがたまりやすくなります。特に、装置の金属部分と歯の間やネジ周辺などの細かい隙間には食べカスやプラークが残りやすく、放置すると虫歯や歯肉炎の原因になることがあります。
清掃の際には通常の歯ブラシに加えて歯間ブラシやタフトブラシを使い、装置の隙間や裏側まで丁寧に磨くことが大切です。加えて食後に口をゆすぐ習慣をつけると、汚れの付着を防ぎやすくなります。
硬いものや粘着性の高い食べ物は避ける
急速拡大装置を装着している間は、食事にも注意が必要です。特に硬い食べ物や粘着性のある食品は、装置にダメージを与えたり、部品が外れたりする原因になることがあります。
例えば、おせんべいやナッツ類、ガム、キャラメルなどは、装置を壊すリスクが高いため注意が必要です。装置の状態を保って治療をスムーズに進めるためにも、やわらかくて噛みやすい食べ物を選ぶとよいでしょう。
定期的に歯科医院を受診する
急速拡大装置の治療は、装置をつけて終わりではありません。特に治療を始めたばかりの時期は、顎の広がり方や装置のフィット感に変化が出やすいため、短い間隔で通院することがあります。
検診では装置の状態を確認したり、必要に応じて調整を行ったりするほか、お口の中でトラブルが起きていないかどうかも確認します。矯正治療をスムーズに進めるためにも、定期的に歯科医院でチェックを受けることが大切です。
まとめ

急速拡大装置は、上顎の中央にある縫合部を広げて歯が並ぶスペースを確保するための矯正装置です。短期間で顎を広げることができ、将来の歯列矯正をスムーズに進めやすくなるなど大きなメリットがあります。
ただし、発音や食事に影響が出たり装着中の日々のケアが必要だったりと、生活のなかで注意すべき点もあります。矯正を検討する際は、歯科医師とよく相談しながらお子さんの成長や生活環境に合った方法を選ぶことが大切です。
急速拡大装置による治療を検討されている方は、平塚市真田、小田急小田原線「東海大学前駅」より徒歩13分にある歯医者「湘南パーク歯科・矯正クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院は、「患者さんファースト」の姿勢で、虫歯・歯周病治療だけでなく、インプラント治療や矯正治療などさまざまな診療にあたっています。当院のホームページはこちら、ネット予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。

■この記事の監修者
上明戸 健史
経歴
- 神奈川県藤沢市出身
- 日本大学松戸歯学部 卒業
- 日本大学松戸歯学部附属病院 勤務
- 医療法人社団大伸会 三国歯科医院 勤務
- たんぽぽ歯科医院 勤務
- 上明戸歯科医院 非常勤
- 戸越銀座通り歯科 勤務
- 2018年9月 湘南パーク歯科・矯正クリニック 開業
修了研修・学会等
- インビザラインドクター認定医
- 日本小児歯科学会
- IDIA(国際インプラント学会)認定医・専門医
- 日本睡眠歯科学会
- 臨床歯科麻酔管理指導医

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