舌の清掃の方法
口臭症 治療の中で最も必須の口臭治療が舌清掃です。舌の清掃道具は大きく分けて舌ブラシと舌ベラがあります。舌ブラシには、さらにワイヤー植毛(捻りブラシ)とプラスチック植毛さらに軟性プラスチックブラシがあります。この中から選択することになりますが、効果を確かめた研究のある製品が非常に少ないうえ、誤った研究も多く、選ぶのは難しいようです。最も信頼ある研究( Kleinberg ら、 Int Dent J 、 2002 年 ) によれば舌ベラよりブラシの清掃効果が大きいようです。ただし、歯周病予防のための定期健診・歯石除去を習慣化しないかぎり、舌清掃の効果も限られます。この点に注意してください。
舌清掃は朝食直後、歯磨き前に行います。舌を傷つけないため一日に一度だけです。以下に手順を示します。
鏡を見ながら大きく口を開けます。
思い切り舌を口の外に出します。いわゆる「アッカンベー」の状態です。こうすることで嘔吐反射(吐きそうになる反射)が予防できます。
思い切り舌を出すと、舌が山を作ります。この山の頂上(口と喉の境目)にブラシを当てて下さい。
そして、 100g 以下の圧力で前方に掻き出します。 2-3 回ブラッシングしたら流水でブラシを洗浄し、ペースト状の舌苔が取れなくなるまで繰り返します。決して前後にブラッシングしてはいけません、必ず後ろから前方に掻き出します。
歯磨きをして終了。歯磨きを最初にすると、かえって口臭が強くなることもあります。
舌清掃時の嘔吐反射の予防
・舌を決して引っ込めない
・舌の山の頂上にブラシを当てる
・必ず後ろから前方に掻きだす
・歯みがきの前に行う
舌清掃は安全ですか
舌清掃は、傷をつける可能性があります。歯ブラシでさえ舌を清掃すると、非常に微小な傷をつけます。一方、発癌剤で舌癌を発生させる動物実験で、舌に傷を付けると発癌が進みます。しかし、この実験が人間に当てはまると言う証拠はありませんし、舌清掃は海外では古代より行われてきました。日本でも江戸時代の浮世絵には、婦人が舌を清掃している姿が描かれ、昔は日本でも舌清掃が習慣になっていたことが想像されます。したがって我々は経験的に「舌清掃は安全」と知っていますが、可能な限り安全に注意しなければなりません。
舌清掃具の安全性についての研究は少ないのですが、ワイヤー植毛タイプ(捻りブラシ)と、電動舌ブラシの一つは、100g以下の圧力で30回のブラッシングまで安全と言われています。安全圏を考えれば可能な限りブラッシング回数を減らすべきでしょう。一旦、舌清掃を習慣化しますと通常10回程度のブラッシングで舌はきれいになります。100gの力を覚えるために、図10に示したように、台所用の秤に舌ブラシを当てて試してみてください。覚えた圧力より弱くブラシすると一層安全です。

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